1.『アスベスト市民ネット』結成への歩み
昨年(2017年)の本研究会において、「解体工事におけるリスクコミュニケーション」と題して、西宮市こしき岩アスベスト
訴訟の実例を示した。
工事業者による違法行為や監督指導の立場にある行政の黙認や不作為が直接の原因である事例であるが、住民の問題意識の
希薄さを棚に上げて論じる事は出来ない。
アスベスト被害を予防するという目的の達成には、住民が関心を持ち世論の盛り上がりが不可欠であり、この溝を埋める事が
「アスベスト市民ネット」の役割であろう。
2.『アスベスト市民ネット』の目標
AX+AY+AZ⇒A(X+Y+Z):アスベスト問題の現状
A=アスベストの課題
X,Y,Z=それぞれの取り組み
官民問わず、各地で様々な取り組みがなされている。
市民の取り組みでは、西宮市こしき岩アスベスト訴訟以外にも、堺市では条例制定を目指す市民のリスクコミュニケーション、
さいたま市ではアーケードに吹付けられたアスベスト撤去を実現したリスクコミュニケーション等の貴重な取り組みが行われ
てきた。
しかし残念ながら、それらの情報は分断されており、一つのベクトルを形成しているとは言えない。
この現状を打破するための共有すべき認識を提案したい。
発ガン物質であるアスベストの使用を奨励したという重大な国策としての負の遺産が原因である事を再確認し、活動の原点と
しなければならない。
1)アスベストに関する様々な問題を知り、全体像を理解する
・職業曝露から環境曝露
・飛散予防から病気の早期発見、補償救済制度
・震災アスベスト問題
2)各地で取り組んでいる活動や訴訟について全国規模で把握する
・違法な解体・改修工事
・被害者認定と補償救済
・欧米における対策と実情
3)住民が問題意識を持ち、被害予防に向けて世論を高める。
・解体除去計画に初期から参加して「リスクコミュニケーションガイドライン」を有効に活用
・住民が容易に利用できるように、基本知識や参考資料をまとめたガイドブックの作成
これらの認識の共有により、一般市民のレベルでアスベスト問題の重大性が理解され、住民がアスベスト飛散を防止するために
リスクコミュニケーションなどに積極的に参加すると共に、世論の盛り上がりが期待される。
『アスベスト市民ネット』を通じて全国のアスベスト問題に取り組んでいる人達が結集し、「アスベスト対策基本法」の制定な
どの目標実現に向けての大きな推進力としようではありませんか。
是非とも皆様のご参加をお願いいたします。
ご連絡先:「アスベスト市民ネット」
永倉:03-5627-6007 携帯電話:090-1408-4136
上田:メールアドレス:
ueda@stopasbst.com 携帯電話:090-2380-1530
アスベスト関連訴訟の現状(すべての訴訟ではありません。)