アスベスト関連訴訟の現状(すべての訴訟ではありません)
1)泉南型国賠訴訟
2014年10月最高裁判決(1958年5月~71年4月に工場内で石綿を扱う作業をし、中皮腫等を発症した労働者に対する国の責任を認めた。)
★同様の労働者の和解
(国の通知が遅れたことで、少なくとも損害賠償請求権を54人が失った:不法行為に対する損害賠償請求権は20年で権利消滅)
泉南型労働者は1200人程度と推計されるが、救済率は2割未満(読売2017年9/6)
2)建設労働者国賠訴訟(一人親方等労災保険未加入者は救済対象になっていない。)
①東京地裁判決 2012年12/6 国の責任を認める。
②福岡地裁判決 2014年11/7 国の責任を認める。
③大阪地裁判決 2016年1/22 国の責任を認める。
④京都地裁判決 2016年1/29 国・建材製造企業の責任を認める。
⑤札幌地裁判決 2017年2/14 国・建材製造企業(一部)の責任を認める。
⑥横浜地裁判決 2017年10/24 国・建材製造企業の責任を認める。
⑦東京高裁判決 2017年10/27 国・建材製造企業の責任を認める。
⑧(予定)東京高裁判決 2018年3/14
3)労災不認定事案の国賠訴訟
①名古屋地裁(敗訴)名古屋高裁係争中 淑徳学園教員中皮腫
②肺ガン不認定 国の認定を不服とした裁判:国の9連敗
4)公務災害不認定
①神戸地裁 明石市職員
②埼玉地裁(勝訴)東京高裁係争中 埼玉教員
5)企業補償を求めた訴訟
①札幌地裁(敗訴)高裁(勝訴)最高裁(勝訴)ホテルボイラーマンの中皮腫
②港湾労働者
③エタニットパイプ社、造船関係、アスベスト建材製造企業等、他多数
6)建物の吹付けアスベストによる被害の損害賠償訴訟
①大阪地裁提訴 最高裁判決(勝訴) 鉄道高架下文具店従業者
7)保育園改修工事によるアスベストばく露(被害未発症)による損害賠償訴訟
8)住民による違法工事損賠訴訟
①神戸地裁 工事業者・西宮市が被告 旧夙川学院大学解体工事周辺住民訴訟
9)住民監査請求等
①横浜地裁 綾瀬市立綾瀬小学校解体に伴うアスベスト飛散事件の住民監査請求訴訟
②埼玉青年の家再生砕石撤去工事の仮処分申請
10)土壌中のアスベストによる損害賠償事件
①東京地裁 東京羽田クロネコヤマト土地損害賠償訴訟
②横浜地裁 三崎土地アスベスト建材散乱土地の損害賠償訴訟