今や社会問題となりつつある、建物の解体工事に伴う
アスベスト飛散問題について考えよう

本会の目的

解体工事に伴うアスベスト健康被害の防止と、地域住民の視点に立った
アスベスト飛散防止制度の実現

事業

  1. 解体工事に伴うアスベストの飛散防止制度実現のための活動
  2. アスベスト問題についての普及・啓発
  3. 当面の課題としては、夙川学院短大校舎解体工事における
    アスベスト飛散問題の全容解明や解決へ向けた活動
  4. その他、上記に付随する活動

詳細

夙川学院短期大学跡地(西宮市甑岩町6番1外)において、平成25年6月から大学校舎の
解体作業を行われました。解体工事についての説明会で、事業主及び解体業者は住民に対
し、校舎のうちの1号館と2号館以外にはアスベストが存在しない旨説明し、それを前提に
解体工事は行われました。
しかし、夙川学院の校舎は、アスベスト建材が大量に利用されていた時期に建てられたもの
であり、事業主や解体業者の説明もあいまいでアスベストについての対策は安心できるもの
ではありませんでした。その後、解体業者が平成25年4月に、解体する校舎の中で石綿含
有部材が存在する床面積が13000㎡存在するとして提出した「建築物に係る解体工事等
調査票」が、同年7月29日付で差し替えられ、石綿含有部材が存在する床面積は0㎡とな
っていたことが判明しました。私たちは、西宮市に対しても、再三にわたり、近隣住民の健
康に関わる問題として、夙川学院の校舎のアスベスト建材の有無について調査を求めました
が、市は事業主への聞き取りや現場調査からアスベストは確認されなかったと主張し続け、
設計図書を含めたさらなる調査をすることはありませんでした。

やむを得ず、私たちは、中皮腫・じん肺・アスベストセンターの支援を受けて、自分たちで
アスベスト建材の有無を調査することにし、裁判所を通じた証拠保全手続等で、現在唯一残
っている校舎である9号館の内部にある空調ダクトパッキングにアスベスト建材が使用され
ていることを確認しました。
また、既に解体された校舎の設計図書の一部を入手し、同書からはアスベストを含有してい
るまたはその可能性がある建材が大量にあったことが確認されています。その中には、石綿
含有建材のレベル2に該当し、撤去の際には、大気汚染防止法及び石綿障害予防規則におい
て届け出が義務付けられ、セキュリティールームの設置、養生内での密閉作業、養生内の負
圧除じん機の稼働、作業者の防じん対策が義務付けられている「石綿ロックウール耐火被覆
板」も含まれていました。
入手できた設計図書は解体された建物の3分の1程度であり、実際にはさらに大量のアスベ
スト含有建材が存在していた可能性が高いと考えています。夙川学院校舎の解体工事は10
か月にわたり、その間、敷地周辺には大量の粉じんが飛散し、近隣住民や通学路として敷地
周囲の道路を通る児童及び生徒たちが粉じんにさらされてきました。この粉じんの中に大量
にアスベストが含まれていたのであれば、将来、近隣住民や敷地周辺を通行していた児童や
生徒たちに健康被害が生じる可能性も否定できません。
何ら対策を行わなかった事業主及び解体業者の責任は当然ですが、アスベストが盛んに使わ
れていた時期に建設された建物であるにもかかわらず、きちんと調べてほしいという近隣住
民の申し入れに耳を傾けず、アスベスト建材が違法に解体されることを見逃した西宮市にも
重大な責任があると考えます。
アスベストを吸い込むと中皮腫や肺がん等の深刻な健康被害を引き起こすことは周知のとお
りですが、潜伏期間が20年以上あると言われており、夙川学院校舎の解体工事で飛散した
アスベストの種類や量について正確な調査がなされなければ、将来健康被害が発生したとし
ても解体工事との関連性を検証することすらできません。
そこで私たちは、平成27年11月20日、以下のことを西宮市に要請しました。

1. 西宮市においては、この問題が市民の身体及び生命に関わる重大な問題であることを
 重く捉え、夙川学院短期大学校舎に使用された建物のアスベスト含有建材の使用の状況
 とその危険性のレベルの全容を解明する調査を直ちに行うこと。

2. また、事業主または解体業者が行った解体工事は、大気汚染防止法、兵庫県の環境の
 保全と創造に関する条例、労働安全衛生法の石綿障害予防規則、廃棄物処理法に違反す
 るものであると考えるので、この点について徹底的に調査すること。

これらに対する西宮市の回答は、「これまで立入検査にて非飛散性アスベスト建材がなかっ
たこと、内装等は手バラシにて分別撤去していることを確認しており、アスベスト飛散によ
る周辺環境への影響はなかったものと考えております。」というものでした。業者がアスベ
ストなしと届け出た場所から、住民側はアスベスト(レベル2)を発見し、物的証拠として西
宮市に提出し、この相反する事態について真相解明のための調査を求めたのですが西宮市は
相変わらず「アスベストはない」との見解を変えず、「調査するつもりはない」としています。

私たちは、西宮市の回答は、全く誠実さのない無責任な回答であると考えています。

今後の活動

当面の夙川学院短大校舎解体工事の件につきましては、アスベスト有無の全容解明に向け、
本年6月にも裁判提起を予定しております。つきましては、裁判の参加者募集、並びに
本会の活動にご賛同いただけましたら会への募金を、 是非とも皆様にお願いしたく存じます。
まだまだアスベストにつきましてはその危険性について周知されておらず、これからその
普及・啓発のための活動をしていかねばなりません。

一人の百歩より 百人の一歩を!

皆様のご協力・ご支援を賜りますようお願い致します。