活動の報告
越木岩公民館のアスベスト除去工事説明会における諸問題
~旧態依然の西宮市営繕課の対策では市民の安全は守られない~
■主な経過
2024年
7月12日 第1回住民説明会
「(仮称)越木岩センター改築工事説明会」のタイトルの資料配布
説明会の案内チラシは、周辺30メートル以内に配布し、欠席者には個別に資料を届けた。
この資料を見た住民から私たちに相談があり、初めて工事を知った。
その後、配布資料を入手して検討したところ、アスベスト除去についての説明がごく一部(外壁、塀、花壇)に限られており、
「その他レべル2,3建材についても法令を遵守し適切に除去します」との一文があるだけで、あまりにもお粗末な内容に愕然と
なった。
次に、アスベスト調査に関する書類を情報公開請求するとともに、西宮市営繕課にアスベスト除去工事説明を再度行うよう申し
入れた。
8月22日 第2回住民説明会
今回の資料タイトルに「アスベスト除去工事説明会」が追記された。
配布資料には、建物の図面にアスベスト含有建材が色分けされて多くの場所に図示されており、改めて含有建材の多さに驚いた。
住民の要望として
・説明会のお知らせ範囲を拡大すること
・通学路につき、学校関係者や父兄にも説明会の案内をすること
・除去工事に関しては、天候の影響を受けやすい外部での作業で、特に発塵を伴う電動グラインダーを使用する作業において、
漏洩飛散をチェックする対策(漏洩チェック)を求める
9月6日 第3回説明会
要望への対応について
・学校関係者への連絡は、北夙川小学校と苦楽園中学校には校長に、幼保こども園に連絡したと回答。
しかし、説明会には父兄らしい参加者は皆無で、児童の父兄への周知は考えてもいない様子。
*学校関係者への連絡は「校長に」、住民への通知は「自治会長に」。これを「丸投げ」というが、もちろん気付いてはいない。
・漏洩チェックについては、「規則に従った工事をするので、飛散はしない」との名ばかりの安全性を繰り返すのみ。
そこで、最新の情報として「築地ルール」を紹介し、せめて児童の登下校の時間だけでも誠意を示すよう求めた。
「築地ルール」とは、東京都の築地市場解体・アスベスト除去工事において、都の職員がデジタル粉塵計を携えて現場を巡回し
て漏洩監視を行った安全対策であり、これを営繕課に求めたが無言のままであった。
(参考)
「築地市場解体工事に伴うアスベスト撤去に関するリスクコミュニケーションの実施」(NPO法人 中皮腫・じん肺・アスベストセンターHP)
〈問題のまとめ〉
①アスベスト除去工事における住民への周知範囲は、飛散によってリスクを負担する住民を対象とすべきであり、現行の指導要綱の
「30メートル以内」には何ら科学的根拠はなく、かえってトラブルの原因となっており、早急に改正が求められる。
②アスベスト除去に関する情報は、第2回説明会においてその全貌が初めて明らかになった。これは、住民の情報公開請求と無関係で
はない。発がん物質であることを認識して丁寧な説明を心がけ、最初からすべてを公表するべきではなかったのか。
③「規則を守って工事を行う」ことは、最低限守るべき行為に過ぎず、安全対策と予期せぬ事故に対処するための方策である。
ましてや営繕課の主張する「口先だけの安全」には納得できるはずはない。住民は「最低限の安全」ではなく、「万全の安全策」
を求めている。
④日進月歩の環境問題においては、社会の動向に注目し最新の知見に基づいた安全対策が求められる。模範を示すべき公共事業に
おいて、発注者の営繕課が旧態依然の意識では、市民の求める安全は保障されないし、せめて安心できる誠実な対応が求められる。
⑤情報公開請求を知って初めて詳しい資料を配布したように、石井市長の「オープン西宮」は、すでに形骸化していると言っても
過言ではないだろう。
*なお、8月2日に請求した情報公開資料は、第2回目の説明会開催の同日午前に公表するとの連絡があり、営繕課の「いやがらせ」
の対応に抗議し、19日公開になったことを付記しておく。(通常は請求後2週間で情報は公開される)