活動の報告
学校施設アスベスト実態調査報告
このたび兵庫県保険医協会が実施した「兵庫県内学校施設のアスベスト実態調査報告会」が報道で取り上げられました。
NHKニュース “アスベスト不使用”の兵庫県の公立学校 調査時期不明が3割
神戸新聞、しんぶん赤旗記事(PDFファイル)
兵庫県内(私学を除く)44教育委員会の1,431校についての集計結果は次のとおりとなりました。
レベル1の吹付けアスベストは、42の学校施設に認められ、ほとんどは「飛散防止対策済み」となっていました。しかし、継続的な安全点検はされ
ていないことが判明しました。
レベル2の断熱保温材は、200施設で認められました。
しかし、ひとまとめに「なし」との回答がある一方で、施設当たり7~8か所と回答する教育委員会もあり、実際には回答数を上回るアスベストが
存在しているものと考えられます。
そして、何よりも驚いたことは、データベースや安全管理簿に記録を残している教育委員会は皆無であったことです。
また、「アスベストなし」と回答した施設についても、調査年が古く無資格者による調査も多いことが判明しました。
さらに「いつ」「誰が」調査を行ったか「不明」と回答された施設は約3割に認められ、予想していたとはいえ学校施設におけるアスベストの管理が
これほどまでに無責任で杜撰であったかと驚いた次第です。
そして、以下の提言がまとめられました。
・全国一斉に有資格者による調査を行い、各教育委員会はデータべース化し、定期安全点検を記録に残すこと
・文科省はアスベスト除去の工事期間や安全対策についてのガイドラインを示すこと
これは最近の事例ですが、子供たちが校庭に居ながらにしてアスベスト除去が行われています。特に外壁塗り材の除去では漏洩による飛散の危険を伴
うため安全対策についての指導が必要です。
(上田 進久)