活動の報告

安井小学校校舎の解体工事に関して西宮市長あてに要望書を提出しました


 この4月から始まる西宮市立安井小学校の既存北・西校舎解体工事に先立ち3月13日に行われた住民説明会に参加しましたが、西宮市のアスベ
ストに対する問題意識の希薄さや危機管理能力について改めて不安が増強した結果となりました。
 また3月24日に行なわれた市と意見交換会では、安全対策についての意見交換を一方的に中止して、説明責任を果たさないまま強引に工事を
始めようとしています。そこで、4月13日付けで西宮市長あてに安井小学校校舎の解体工事に伴うアスベスト除去工事の適切な実施を求める要
望書を提出しました。

 2021年4月13日付け西宮市長あて要望書(PDFファイル)

 市との意見交換では、「法を守るから安心しろ」などと根拠を示さない安全神話の域を出ない主張や、挙句の果てには「法以上のものを要求す
るのか」や「極論」などと歪曲して強弁するなど、およそ時代に逆行する旧態依然とした西宮市行政の姿といわざるを得ません。
 現実の作業を熟知しない机上の計画や対策だけでは、危機管理についての問題意識が希薄となり、それによるアスベスト飛散事故の発生が危惧
されます。
 とりわけ、校庭に児童が居るという状況下でのアスベスト除去は、特に厳重な飛散防止対策が求められ、専門家や学校関係者や住民らとの十分
な検討が不可欠です。にもかかわらず、科学的根拠に基づいた説明や現実を想定した安全対策などの説明責任は果たされていません。
 そもそも営繕課は、学校や公共施設を担当し、民間事業に対しては西宮市としての模範を示す立場にあると考えますが、この有様では市民生活
の安全性は保障されたものではありません。

 この度の説明会において露呈した西宮市の対応は、石井市長の掲げる「オープン西宮」や「リライアブル」とは程遠いものであり、行政の現状
を十分認識したうえで市長の責務を果たしていただきたいものです。
 学校の児童たちの安全を最優先した安全対策について専門家を加えた意見交換をせず、説明責任を果たさないまま工事に着手するなどという暴
挙は決して許されるものではありません。

■要望及び質問事項
1)西宮市は工事着手前に「建築物等の解体等工事におけるアスベスト飛散防止対策に係るリスクコミュニケーションガイドライン(環境省)
 に基づいた説明責任を果たすこと。
2)校庭に児童が居る状況下でのアスベスト除去工事は特に厳重な飛散防止対策 が求められる。 中でも外壁塗り材のアスベスト除去は、発塵を伴う
 ものであり養生においても天候などの影響を受けやすく漏洩による飛散の危険が払拭されない。外壁塗り材の除去工事は夏季休暇などに実施するこ
 とを強く求める。
3)外壁塗り材のアスベスト除去において特に下地調整剤の場合には、剥離剤に加えてディスクグラインダーを使用する計画が示された。この方法は、
 たとえ集塵機付きであっても実際の作業において ディスクグラインダー使用時の発塵対策の重要性が指摘されている。 厳重な隔離養生や漏洩による
 飛散を短時間で発見できるモニタリングなどの安全対策が必須となる。漏洩をチェックする方法としては、デジタル粉塵計を使用する2017年11月の
 保護者の質問に対する回答書に記載されている)などのきめ細かいモニタリングが重要となる。ところが今回の説明では、週1回のモニタリングが環
 境保全課の承認を得たとして勝手に変更された。
 ・週1回のモニタリングで安全対策が万全であるという理由の科学的根拠に基づいた説明を求める。
 ・外壁塗り材の除去に関して西宮市の経験は浅く、実際の作業に伴う危険性の認識が十分とは言えない。この点に関しては、経験者、専門家やアスベ
  スト除去業者が参加して安全対策についての再検討が必要であると考えるが、再検討する考えはあるのか。
 ・説明会で、配布資料の内容の一部を削除し変更した件であるが、「隔離養生に関して、負圧除塵機の使用や前室の設置の削除変更」は、改正大気汚
  染防止法の安全対策の緩和であると理解しているが、校庭に児童が居る状況下での判断としては、緩和された安全策を最低限守ればよいとする考え
  では危機管理とは言えない。 改正前であれば実施していたはずの安全対策を変更した理由について安全保障の点から説明を求める。
4)学校施設のアスベスト除去工事に関して、教育委員会の安全衛生委員会などにおいてどの程度検討されているのか実績を示していただきたい。
5)外壁などの塗り材(仕上げ材や下地調整剤)に関しては、「外壁の一部」などと曖昧な表現にとどまり、作業の全体像を明らかにしていない。作業
 の全体像を把握することは、専門家によるアドバイスや児童らの安全対策について検討するうえで不可欠な情報であり、調査結果をすべて公表して検
 討資料とすることを求める。
6)安全対策についての 再検討や意見交換をしないままで、工事開始を強行するなどという暴挙を許すようでは、今後の市民社会の安全保障において計
 り知れない汚点を残すことになるが、西宮市長としての判断をお示しください。



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