活動の報告


ご支援頂いた方々のメッセージ

(順不同、原文の一部を加工して掲載しています。)


過去に私が係わった裁判で、最初に家族ばく露で、お父さんの持ち帰ったアスベストまみれのマスクで
遊んだ息子さんが、数十年後中皮腫で亡くなったケースで最高裁まで争われた裁判があり、地裁、高裁、
最高裁まで争われてすべて敗訴しました。

また、札幌ではホテルのボイラー室でアスベストにまみれて仕事をされて、中皮腫を発症し亡くなった
方が、ホテルを相手取り提訴、札幌地裁で敗訴、高裁で逆転勝訴、最高裁で勝訴確定したケースがあり
ました。

また、名古屋地裁では私立の学校の教師をされていた方の裁判では、中皮腫死亡で学校ではアスベスト
建材を含む改修工事、増築工事が毎年のように行われていたケースでも、労災が認められなったことで
国を相手取り提訴しましたが敗訴、その後名古屋高裁で逆転勝訴し確定したケースがあります。

泉南国賠も高裁で逆転敗訴、最高裁で勝訴しています。

最初の道を切り開くものにとって、司法はかなり厳しい結果を示します。
しかし、今回の判決のように、内容で少しずつ勝ち取っていくことで、住民、市民が闘う場と道具、理
屈を手に入れていくものと思います。
その意味で、大きな成果があったと評価できる判決だと思います。不十分な認定で勝つよりも、腹に収
まる敗訴のように思います。

これで終わったのではなく、住民によるアスベスト被害予防の取り組みは始まったということ。
この始まりを身を引き締めて受け止めよという事のように感じています。
とはいえ、なかなか納得がいかないものです。
皆様のご決断にはどのようであれ支援を惜しむものではありません。

中皮腫・じん肺・アスベストセンター 永倉 冬史



ご丁寧な「裁判報告」をお送りいただき、ありがとうございました。
また、長年にわたる皆様の法定闘争に心から敬意を表します。
粘り強い活動が、判決文においてアスベストの問題性が語られる結果を導いたと考えています。

堺市議会議員 長谷川 俊英



長きに渡り裁判の戦いにおいて先頭に立ち全身全霊を捧げられ奮闘された上田様に心より感謝申し上
げます。本当にご苦労様でした。
判決主文は、誠に悔しく、虚しさがこみ上げて来る物でした。
しかしながら、私の職業である建築並びに街作りに際る最も根幹を成す設計図書の社会的価値が裁判
上認められ、それにより、設計図書を無視した解体業者三栄建設の過失、並びに、アスベスト調査の
怠慢を社会的に明白化した事を高く評価します。
更に西宮市における、アスベスト解体業者に対する行政指導の不備特に設計図書の社会的価値を再認
識させ、今後のアスベスト対策並びに解体工事に対する、行政指導と事前の届け出調査と建築図書に
基づく現地確認等の行政指導体制の強化させる為、市民の監視体制強化、市議会に置ける行政監視、
チェック機能の強化が必要との思いが強くなりました。
その為、今後、西宮市会議員団への働きかけと共に、西宮市長並びに担当部局への働きかけが必要と
確信致しました。

松本 敏廣



裁判本当にお疲れ様でした。
敗訴ということのようですが、詳細をお聞きするとかなりの部分で原告側の主張が認められているこ
とに驚きました。
ここで認められた主張もそうですし、こうして上田様はじめ皆さんがアスベストを大きな問題にして
くださることで社会の関心をアスベストに向け続ける事が本当に意義のある事だと思いました。
ありがとうございます。

守口市 今井



判決文を読みますと、精神的苦痛に対す損害賠償請求は認められませんでしたが、事業主、施工業者、
西宮市に対するアスベスト飛散対応の怠慢に関しては正確な判決文ではないでしょうか。
精神的苦痛に対する損害賠償は判例が限られ、今回の場合、苦痛の程度を科学的にあるいは医学的に
立証されていないため、原告の主張は却下されたと理解しています。
上田様が述べられているように建築解体に伴うアスベスト飛散問題は、今後、全国各地で起きる事に
なるでしょう。
ほとんどの場合、近隣住民は、建築の材料に関する知識が持ちようもなく、単に解体工事がやかまし
いとか、粉塵が飛んで汚れた等と言うクレームだけに終始する事と思います。
建築解体に伴うアスベスト飛散に関して、こうした実情からこれまで判例はありませんので、今回の
裁判は、その先例を付けたという大きな意味があると考えます。
上告に関しては、私は無理があるように思います。
もし問えるとすれば、西宮市の建物解体に伴うアスベスト飛散に関する、無知と怠慢が何処にあるか
の問いかけではないかと考えます。
建築材料にアスベストが含まれており、適切な対処がなされない限り、建建築体により飛散するとい
う、実に単純な原理は、ほとんどの人たちの理解を超える範疇の事柄です。
このやむを得ない今日の現実の中で、既存建物の解体工事が起きた時、率先して対処すべきは、行政
庁にあります。
私は、今回の問題は規模が大きく、日々通う小学生から中学生に至る学生達の通学路で起きた事案故
上告に関し真摯に考えて頂きたいと願います。
アスベストによる中皮種症状は発症するまでの時間が長いため、発症を前提とした上告は無理を伴う
事で、問うべきは、住民の健康に巨大な建物の解体工事に、行政がまともな対応をしているかが問わ
れるべきではないかと考えます。

西宮市 鎌谷



主文の「原告の請求は棄却する」、これはまさに敗訴であり非常に残念です。
しかし、判決理由で、アスベストが含まれていたことが認められ述べられたことは原告の皆様の主張
が認められたものであり喜ばしいことと言えます。
その一方で、証明ができない故に被害を認めず賠償責任を否定したことは残念ですが、現在の裁判制
度ではいたしかたないところです。
被害・影響の大小にかかわらず自治体、解体業者に責任があることが明白となったわけですから、そ
の責任ある組織体の今後の類似事案の再発防止策と本件の後始末として被害を未然に防止する策を講
じて欲しいものです。

秋田 浩司