第1回 アスベスト、今後の課題とは
皆さんは、「アスベスト」という言葉を一度は耳にしたことがあると思います。
そして、この問題は「不注意な扱いによる過去の出来事」と、多くの方が考えているのではないでしょうか。
しかし、最近新聞やニュースで取り上げられている事にお気づきでしょうか。
アスベスト問題は、主に2つの問題から成っています。その一つは、過去にアスベストを扱う作業や、多く
のアスベストが使用されている場所で仕事をしていた人たちの、「職業曝露」という問題です。
もう一つは、過去にアスベスト建材が使用された建物が沢山残っており、これらが不適切に改修や解体され
ることによりアスベストが飛散する「環境曝露」です。これらの建物は、少子化や老朽化のため、現在解体
が増えつつあります。解体工事においていかに安全にアスベストを除去できるかが問題となっています。
アスベストによる健康被害は、中皮腫や肺ガンなど重篤であるにもかかわらず、潜伏期間が20~40年と長く、
いつ吸いこんだか断定できないという理由で認定されないまま苦しんでいる多くの人たちがいます。建物の
改修や解体工事において、アスベストが飛散した場合に、被害を受けて長い潜伏期の後に発病するのは子供
達や若者たちなのです。従って、アスベスト問題を身近で起こる現在および今後の問題として捉え、健康被
害で苦しむ人たちが一人でも少なくなるように考えていかねばなりません。
皆様に少しでもご理解していただけるように、テーマを一つずつ分かりやすく紹介していきたいと思います。
~次回は、「アスベストと健康被害」の予定です~